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「鼻の日」特別企画2007
この企画は2007年8月7日(鼻の日)にちなんで松山耳鼻咽喉科会が愛媛県中予地方の市民の皆様を対象にメールでの無料医療相談を行ったものです。質問の皆様には予め質疑応答をHPに掲載することのご了承を頂いています。質問者・返答者ともに特定できないように配慮しました。ご了承ください。最下段に公示した応募の要領等を添附しています。

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2007年8月1日(水)〜8月10日(金)
「鼻の日」インターネット医療相談
松山耳鼻咽喉科会
相談 1 臭いがなくなる
相談 2 痰と鼻汁
相談 3 鼻づまり
相談 4 鼻閉感と耳閉感
相談 5 臭いを感じない
相談 6 蓄膿症の手術
相談 7 鼻が利かない
相談 8 航空性中耳炎
相談 9 頬の辺りの腫れ・痛み
相談10 鼻血

相談1 臭いがなくなる
以前より風邪を引いたりすると、鼻のにおいが無くなり又戻るといった事がありましたがここ4年位前からはめったにもどらなくなり戻ってもすぐにおいが無くなります。一度調べて見ましたが手術しないといけないと言われて怖くてあきらめていましたが新聞をみてメールしました。
松山耳鼻咽喉科会 返信

風邪のあとで嗅覚や、味覚が弱くなったりということはけっこうあるものです。大部分は一時的なもので、風邪症状が取れると回復しますが、時にはずーっと続く場合があります。ご質問は嗅覚ですが、嗅覚の異常は大別して(1)鼻の粘膜が炎症を起こして腫れたり、分泌物が増えたりして、においの粒子が嗅(覚)神経に届きにくくなる場合(2)嗅神経が風邪ウイルスそのものにやられた場合、(3)その混合した原因による場合、があります。(1)ですと鼻炎や副鼻腔炎症の治療が必要ですし、(2)ですと神経機能を重視した薬を服用する必要があります。ご相談の方は「検査の結果、手術をすすめられた」とのことですので、おそらく神経自体は正常で神経周囲の炎症、粘膜の腫れなどが原因のようです。その場合は一定期間飲み薬、点鼻薬などの治療で回復しない場合は手術的に対処することとなります。嗅覚の機能は残っているようですし、根気よく治療すればけっこう回復することもありますので、もう一度再検査を受けて、その結果で再度薬物治療からいくか、やはり手術的にやったほうが良いか判断してもらってください。

 

相談2 痰と鼻汁
 3月に風邪をひいてから、現在は痰と鼻汁が続いております。鼻をかむと膿のような鼻汁で洗浄すると茶色のねばっこいのが出ます。痰は鼻の方から出る感じで膿のようなのが出ます。2ヶ月前 内科で抗生物質の飲み薬もらったのですが変わりないので今は、朝鼻の洗浄をするとしばらく楽なので、それで過ごしております。不安な事は洗浄し時茶色の鼻汁が出る事です。
松山耳鼻咽喉科会 返信

風邪で鼻腔の中から副鼻腔に細菌感染が広がり、急性副鼻腔炎になった可能性が高いと思われます。軽度の急性副鼻腔炎ならば自然に治ることもまれではありませんが、内科で抗生物質を服用しても治らないのであれば、服用した抗生物質に抵抗力のある細菌が残っていたり、服用期間が短かったために十分殺菌できなかったり、かび(真菌)など細菌以外の病原菌やアレルギー反応などが悪影響を及ぼしている可能性もあります。また、茶色の鼻汁は血液が混じっている可能性もあります。その場合は鼻や副鼻腔の粘膜の炎症が強かったり、ごくまれには腫瘍が隠れている場合もあります。春からですから、そろそろ発症して4ヶ月以上たったことになり、慢性化も心配されます。耳鼻咽喉科での診察が望まれます。

 

相談3 鼻づまり
幼い頃からアレルギー性鼻炎です。原因はハウスダスト、花粉にも少し反応があります。最近は鼻水よりも鼻詰まりが気になります。鼻の奥が、赤く腫れたようなもので穴を塞いでいるので(とくに左)、寝る時は息苦しく感じる時があります。これを治す方法はありますか?それで口呼吸になるせいかイビキをかいているようなのですが、直すにはどんな治療方があるのでしょうか?
松山耳鼻咽喉科会 返信
アレルギー性鼻炎の治療には、薬剤によるもの、手術によるもの、体質をかえる減感作療法などがあります。一般的には、飲み薬や点鼻薬の組み合わせで治療しますが、アレルギーの程度が強く薬剤の治療だけは効果が不十分な場合もあります。その場合は、レーザーなどで鼻粘膜でのアレルギーを起こりにくくしたり、腫れた鼻の粘膜を削るような手術をすることもあります。また、生活環境の改善や体質そのものを変える減感作療法なども併せて行っていきます。ただ、鼻づまりはアレルギーだけでなく慢性の感染症や腫瘍でおきることもありますので、できれば一度耳鼻咽喉科に受診されることをお勧めします
 

相談4 鼻閉感と耳閉感

子供の頃から鼻中核湾曲を指摘されています鼻閉感と耳閉感があり朝目覚めた時、喉の渇きがあります。何か治療したほうがいいでしょうか?一度も治療を受けたことはありません。

松山耳鼻咽喉科会 返信

鼻腔を左右に分ける骨板が鼻中隔です。これが病的に弯曲したのが鼻中隔弯曲症です。弯曲側に鼻づまりや呼吸困難が生じます。アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎が合併すると、症状はさらに悪化します。この方の場合は耳閉感、喉の渇きもあるため、鼻閉がより強くなっていると思われます。アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、肥厚性鼻炎などが合併しているものと考えられます。鼻腔内の観察、レントゲン検査などで診断することができます。治療を行うことで鼻閉、耳閉、口渇感が改善され、より快適な世界が広がります。すぐに、お近くの耳鼻咽喉科で診てもらってください。

 

相談5 臭いを感じない

10年くらい前から臭いを感じないので人並みにならないものかと悩んでいたところ、リビングまつやまに鼻のチエック記事があり相談するものです。

松山耳鼻咽喉科会 返信
嗅覚障害はアレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎といった鼻副鼻腔の病気が原因となっている場合が多いのですが、頭部の外傷、脳の腫瘍や加齢などでも嗅覚障害が起こることがあります。10年前からの嗅覚障害とのこと、治療は困難かもしれませんが病気の有無の検索は大切なことです。まずはお近くの耳鼻咽喉科でご相談されてはいかがでしょうか?
 

相談6 蓄膿症の手術

高校一年生の時、健康診断で耳鼻科の項目がひっかかり病院へいき、蓄膿症と診断されました。その時は少し薬が出ただけです。20歳くらいの時、よく検査しようと四国ガンセンターへ。CTスキャンなどの検査をしました。先生に「膿みがたまって空洞であるべきところが真っ白な状態。風邪などひいた時には特にしんどい思うのでその時は薬で楽にしてだましだましするか、手術も選択肢に入れといてください。」と言われました。と、それから10年以上。病院へも行っていません。鼻は相変わらずな感じなんですが、なれてしまって風邪のときくらいしか特に気にならないのですが。でも普段頭痛、イライラ、のどもすぐ痛めます。これは鼻と 関係あるのでしょうか。昔聞いた時、手術は切開するし入院日数もかかるという事だったのですが今は内視鏡でできるのですね。通常どのような状態・タイミングで手術するのでしょうか。

松山耳鼻咽喉科会 返信
副鼻腔は鼻の穴につながっている顔面骨中の空洞で、鼻をとりかこむようにあります。その副鼻腔の粘膜が、細菌やウイルスに感染したり、アレルギーが原因で炎症を起こし、膿、粘液が排出されず副鼻腔内にたまるのが副鼻腔炎(蓄膿症)です。治療としては薬物治療、洗浄、ネブライザー治療などの治療を行い、三〜六か月たっても症状の改善が見られないものが手術の対象となることが多いようです。手術治療の主流は内視鏡手術法で、骨を大きく削ったり粘膜を完全に除去したり、口側からの切開をしないのが特徴です。内視鏡を外鼻孔から鼻腔に挿入し、モニターで鼻腔内部を見ながら行い、副鼻腔と鼻腔の交通を良好にし、膿や粘液を出やすくするのが手術の中心です。術後の痛みや腫脹も少なく、以前に行われていた手術法に比べ格段に患者さんの身体的負担は軽くなりました。ご質問ですが、まず今の副鼻腔の状態を確認することが一番ではないでしょうか。レントゲン検査やCTで副鼻腔炎が本当にあるのかどうかを確かめられて、その程度により治療法を決定されることをお勧めします。頭痛、イライラ、のどの不快感なども治療により軽快する可能性は充分あると思います。
 

相談7 鼻が利かない

去年の暮れ風邪をひき、鼻づまりがひどかったので鼻腔スプレーを使用しました。ところが使用期限を見間違え、1年程過ぎたものでした。そのせいか鼻が全く利かなくなり、耳鼻咽喉科にかかりました。診断は、スプレーはあまり関係なく、風邪の菌が鼻の神経についてしまったんだろうとのことでした。にんにくの注射をしてもほとんど臭わなかった為、治療は神経が通りやすくなる注射と、ステロイド剤の点鼻薬を毎日10日間続けました。只、ステロイドの副作用か、顔がきゅう に火照って赤くなったりしたので、1クールでやめてしまいました。今は強い臭いはわかりますが、調理の時の微妙な味付けになると、最初の一口は解ってもだんだん麻痺してしまいます。ステロイドの他に治療方法は無いでしょうか?このままでは回復しませんか?ちなみにアレルギー性鼻炎と、副鼻腔炎をもってます。アドバイスを宜しくお願いします。

松山耳鼻咽喉科会 返信

においの障害は大まかに分類すると、その障害部位により(1)呼吸性障害、(2)末梢神経性障害、(3)中枢性障害の3つに分けられます。ご質問の内容だけでは障害部位を確定することは困難ですが、(2)を疑って行われた前医の治療は初期治療としては妥当なところかと思われます。ただ現在は強いにおいはお分かりになるということから、ある程度においの神経や中枢は機能している状態と思われますので、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎による(1)も関与している可能性もあると考えられます。ステロイド剤はこのような場合にも有効な治療薬ですが、他に選択枝が無いわけではありません。ぜひもう一度お近くの耳鼻咽喉科医にご相談されることをお勧めいたします。

 

相談8 航空性中耳炎

中学1年の息子です。5歳の時に一度飛行機に乗った時耳が痛いとかなり痛がりましたが、23日で収まったのでそのままです。それ以来、少し標高の高い山や高速道路などでは必ず耳を痛がります。先日は耳の痛みが取れなくて病院へ行くと中耳炎になっていました。そこでは「航空性中耳炎」と言われました。この先、修学旅行等で飛行機に乗る機会も増えてきます。一生乗らないわけにはいきません。うまく耳抜きができないのか水を飲んだり、あめをなめたりするくらいでは治りません。こんな具合で痛みを我慢して飛行機に乗っても大丈夫でしょうか?何か予防法・対処法があれば教えていただきたいです。また予め飲んでおく薬とかあればありがたいです。よろしくお願い致します。

松山耳鼻咽喉科会 返信
「航空性中耳炎」は鼓膜の内外、つまり外耳側の気圧と中耳の気圧(中耳圧)の均衡(バランス)が破綻した時に発症します。気圧の変化は、鼻と(中)耳の間にある「耳管」という細い管で調整します。耳管は普段は閉じていますがあくびをしたり、唾を飲んだ時などに一瞬だけ開き、外界の空気が行き来し、中耳圧と外気圧が等しくなり、鼓膜が最も能率よく音を内耳に伝達できるような状態を保ちます。耳管はもともと働きが弱い人もいますが、耳管の入り口(上咽頭という鼻の一番奥にある)の粘膜の状態に影響されます。鼻風邪、鼻炎、副鼻腔炎など、また稀ですが、上咽頭に腫瘍などがある場合に影響を受けます。また何回か「航空性中耳炎」を繰り返していると鼓膜が陥凹(へっこむ)、変形したりして、少しの圧変化でも影響を受け易くなっていたりすることもあります。いざと言う時の対処法は「あくびをする、唾を飲む、耳抜きをする」ことになりますが、予防法は「普段から鼻の粘膜の状態をクリーンに保つ」ことです。「予め飲んでおく薬」となるとやはり鼻粘膜を整える薬になると思いますが、息子さんの耳、鼻の状態を一度耳鼻咽喉科でチェックしてもらってからアドバイスを受けると良いと思います。
 

相談9 頬の辺りの腫れ・痛み

年に23回なる現象です。始めは歯が浮いたようになり、物を噛むことができなくなります。暫くすると副鼻腔炎のように頬の辺りが少し腫れ、何日かすると引いてきます。その間は物が食べれず、頭痛・肩こりも酷くなりますが、頬の辺りの晴れ・痛みがなくなると同時に歯の浮き、痛・肩こりもなくなります。体力が弱ったり、免疫力が落ちた時になるような気がします。ほって置いてよいものでしょうか。宜しくお願いします。

松山耳鼻咽喉科会 返信
体の抵抗力が落ちた際に、歯の奥から頬が腫れた感じがするとのことですので、鼻や副鼻腔、歯、歯肉を中心とした口の中の粘膜、頬の皮膚に何らかの腫れや慢性炎症が隠れている可能性があります。さらにその周囲の扁桃腺や耳、あごの関節、耳下腺などが原因の場合も考えられます。また、腫れた感じだけで実際には腫れていない場合には三叉神経痛などの顔面の神経からの刺激も考えられます。症状は進行性ではなく反復性ですので、進行の早い癌などの早急に治療する必要がある病気の可能性は低いと思われますが、今後、極端に免疫力が落ちた時にはこれまで以上に症状が強くなる可能性もあります。症状のない時に受診すると原因の特定が困難な場合もありますが、やはり医療機関を受診されて、因の追求と治療の必要性について相談されれば安心だと思います。原因によって担当するのが神経内科、脳神経外科、歯科、口腔外科、皮膚科、眼科など多岐にわたる場合もありますが、ご質問の文面からは副鼻腔周囲の腫れの可能性が高いですので、まずは耳鼻咽喉科(耳鼻咽喉科専門医は頭頚部外科も担当しています)で相談されては如何でしょうか。ご質問の文面からは、歯のえんしょうが波及した慢性副鼻腔炎や頬の皮膚の炎症(蜂窩織炎ーほうかしきえんー)を疑いますが、やはり診察しなければなんとも言えません。また、痛みが続くことにより二次的に吐き気や頭痛、肩こりが強くなるものと思われますが、そのあたりの因果関係も検討する必要があるかもしれません。
 

相談10 鼻血

夕食時、いきなり鼻血がポトポトと落ち始めました。鼻は全然さわってない時です。前日も午前中出ましたが、20分位で止まりましたので病院に行きませんでした。でも今回はのどの奥へ流れ出るほど出血するので救急病院へ行きました。病院へ着くのに30分、待ち時間1時間、ずっと出てました。結局、鼻の中を焼いて、ガーゼをつめていただき出血はおさまりました。鼻の中の骨が曲がってるので出血しやすいとの事。これといって気をつけることも出来なく、日々いつ出血するかと、思いきった行動をひかえてしまいます。女性は血に強いと言われますが、やはり臆病になります。なにかアドバイスいただけたら、鼻の心配がとれそうです。よろしくお願いいたします。

松山耳鼻咽喉科会 返信

長時間の出血は鼻の中の血管が破れて起こる場合が多く、この場合は耳鼻咽喉科の専門医でなければ血を止めることが困難です。鼻の中には元々たくさんの血管があり多くの血液が流れています、そのため特別な病気がなくても出血がする場合が間々あります。しかしながら出血を繰り返す場合には、鼻やその周辺に腫瘍がある場合や高血圧や血液の病気などの全身性の病気がある場合、飲んでいる薬の副作用がその原因になっていることもあります。止血後は、血圧が上がる行為は避けて通常の生活を送られて問題ありませんが、再度出血する場合や不安がある場合には、前述のような可能性がありますのでもう一度耳鼻咽喉科に受診されて下さい。

 



「鼻の日」インターネット医療相談のご案内
 当会では昨年度に引き続き、鼻の日(8月7日)にちなんで、愛媛県中予地方の市民の皆様を対象にメールでの無料医療相談を行います。
 本年度の相談では、鼻の分野だけでなく耳鼻咽喉科の全般的な相談も受け付けます。鼻や耳、のどに関するお悩みがあれば、以下の実施要綱をご了解の上、メールをお寄せ下さい。耳鼻咽喉科専門医である当会会員がお答えします。


実施要綱

、相談受付期間 8月1日(水)〜10日(金)
2、相談内容は、鼻を含めた耳鼻咽喉科に関する心配事や病気です

3、相談は、愛媛県中予地方にお住まいの方とさせて頂きます。
4、受付期間中に公開されるメールアドレス 00@00 まで相談メールをお送り下さい。
(公開は終了しました)

          
(相談の終了に伴い、クリックは無効です)
5、相談メールには、簡単な住所、氏名、年令、性別、メールアドレス、この医療相談を知ったメディアを記入してください。
  記入されてない場合には当会より確認のメールをお送りするとともに、
  場合によっては相談にお答え致しかねる場合があります。
6、返答には1週間程度のお時間を頂く場合がございます。
  そのため、緊急性を有したり即応性を求める相談にはお答え出来ません
7、あくまでメールを介した相談であり、診察する訳ではありませんので、
  返答は一般的なアドバイスとなることをご理解下さい。
8、特定の医療機関の紹介はしません。
9、相談と回答の概要は、プライバシーに配慮し個人を特定できないように改変した上で、

  当会ホームページ上で紹介します。予めご承知下さい。
   

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