蒲谷敏彦KOREA REPORT ’01.8月  


 お盆を過ぎても暑い日々が続きます。
皆様お元気にお過ごしでしょうか?
JALカップ連続優勝おめでとうございます!
航空券は有効にお使いください。お待ちしております。
秋は韓国も紅葉狩りの季節で良いですよ。
 
さて、今回ソウルに駐在して早や6ヶ月が経ちました。大雪の2月から桜の満開の4月を過ぎ、大雨が降った7月も越え、8月15日の韓国解放日(日本は終戦記念日ですが韓国は日本から解放されて光が復った日、光復節といいます。当然祝日で太極旗があちこちで翻っていました。)も迎えました。
 
前回は93年から96年まで約3年間ソウルで生活したわけですが、それからどう韓国(ソウル)が変わった感じかというと、すぐに気づいたのが地下鉄やバスに老人優先席が出来たことでした。以前はそんな注意書きがなくとも、若い人が老人に席を譲るのは当然で、寝たふりをしているとおじいさんがステッキで頭をコツコツしたものです。
儒教の国で長幼の順を重んじる習慣は見ていても心地よいものでした。私の両親も地下鉄に乗ったときには手を引っ張られるように座らされました。
これはなかなか感動しますし、自分の国(もちろん日本のことですが)のマナーの悪さを反省したものでした。
ところが何とその日本と同じようにシルバー・シートが出来てしまったのです。見ていると老人に席を譲る人も居ますが、見て見ぬ振りをして座ったままの人もいます。
良いことは廃れてゆくのは世界共通、韓国も先進国入りをしたのでしょうか?
 
もう一つ、前回と変わったところは、コインロッカーが設置されたことです。日本では当たり前に駅などで見ますが、5年前には韓国では見かけませんでした。ご存知の通り北朝鮮とは休戦中で正式にはまだ戦争状態なわけです。
空港やソウル駅など主要な交通ターミナルでは警官が始終巡回して不信なもの(爆弾とか毒ガスのことですね。もちろん不信な人がもっと重要ですが)は無いか見張っていたお国柄です。コインロッカーなどとんでもないと思っていましたが、今はほとんどの地下鉄駅で見られるようになりました。
でも物を入れているところや、出している人に会うことがありません。
中に何が入っているのか見たいような見たくないような。そのうちコインロッカー・ベビーのニュースも出そうです。これもソウルが普通の安全な(?)都市になってきた証拠でしょうか。
そうそう、それに巡回している警官や兵士も以前は厳しい顔をしていて、とても怖かったのですが(実際に2回ほど不信尋問されたこともあります。)、今は日本にも居そうな普通の若者のようで、二人で歩いているパトロール員などは冗談を言ったりしながら笑っています。
こちらが、オイオイ大丈夫かそんなことでは北朝鮮にやられちゃうよって心配になってきます。
 
ところでソウルは韓国でも北に位置し、5年前の印象では札幌に良く似た、気候でした。夏はクーラーも一週間くらいもあれば十分という感じで、熱帯夜などは皆無でした。ところが、今年は7月から気温はドンドン上がり今でも日中は35℃を超えます。
夜も寝苦しい日々が続きました。エアコンが必需品になりどこの家でもかけるものですから、外気はますます暑くなります。節電意識の高い国(エレベータが2・3階には止まらないビルもあります。そのくらいは歩いて上れということ。)でしたが暑さには負けて、すぐに冷房を入れます。電力会社では夏の電力不足に苦慮して、累進加算方式の電力料金にしています。
マンションのエレベータ内に「電気の請求書を見て驚かないように!」との張り紙がありました。よく読むと電気料金が3万ウォンを越えると3倍になると書いてあります。
つまり4万ウォン(4000円くらい)はいきなり12万ウォン(12000円くらい)になる訳です。
こちらも、オイオイまじかよという感じです。
先月の電気料金請求書が我が家にもそろそろ来る頃ですが、見たいような見たくないような。
 
韓国と日本は今、歴史教科書や小泉首相の靖国神社参拝問題でマスコミすずめが騒がしい。日本のお知りあいの方からソウルに住んでいて大丈夫? とよく声をかけられます。ご心配には及びません。
どっこいしっかり生きています。
学生のデモや日本大使館前での抗議の座り込みなどもあるようですが一部の方々です。
問題でないことは無いですが、日本人を見たら危害を加えるとか、文句を言うとかの状態ではありません。いたって冷静に皆さん生活されています。
反対に横柄な態度や大声を上げるなど、日本人観光客の一般的なマナーの悪さ(欧米でも顰蹙でしょう。)が目につきます。
そんな時には怖い目で見られるかも知れません。
 
そんなご時世の中、当社(韓国ミウラ)は日本でもCMでご存知の商品(島田紳助が「赤水でたら赤信号」と宣伝している、ビル用脱気装置です。)をあの金大中大統領の住む青瓦台(米国のホワイトハウスの向こうを張って韓国ではブルーハウスという。)に売り込みに行く予定です。
ある朝大統領が顔を洗おうと水を出すと赤水で、オイどうした? となったようです。
CMのとおりですね。納入の暁には韓国・日本の良い話題になりそうです。
もちろん商売的にですけど。
以前、朴大統領の時分ボイラーを青瓦台に入れる話があり、幸か不幸か当社でなく別の会社のボイラーが納入されたそうです。
なぜ不幸かというと、そのボイラーが故障してなかなか治らないのでその社長が青瓦台に呼ばれ、大統領のSP達にボコボコにされたというウソのようなほんとの話があります。
当社のメンテナンス責任者は私なので、ブルーハウスに行ってみたいような、怖いような。期待と不安に悩まされるこの頃です。
 
 
それでは残暑厳しき折、皆様お体大切に。
また来月お話しましょう。
 
ソウルより 蒲谷